大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和47(オ)808 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人内田喜夫の上告理由第一点について。

民訴法一八六条にいう「事項」とは訴訟物の意味に解すべきであるから、本件に

つき原審が当事者の申立てざる事項にもとづいて判決をした所論の違法はない。ま

た、上告人の代理人と本件各取引をしたとの被上告人らの主張に対し、原判決が民

法一一二条のいわゆる代理権消滅後の表見代理を認定判示したからといつて、その

法律効果には変りがないのであるから、弁論主義に反するものではない。論旨は採

用することができない。

同第二点について。

民法一一二条の表見代理が成立するためには、相手方が、代理権の消滅する前に

代理人と取引をしたことがあることを要するものではなく、かような事実は、同条

所定の相手方の善意無過失に関する認定のための一資料となるにとどまるものと解

すべきである(最高裁昭和四二年(オ)第二〇九号同四四年七月二五日第三小法廷

判決・裁判集民事九六号四〇七頁参照)。所論引用の判例は、事案を異にし本件に

適切でない。したがつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することはでき

ない。

同第三点について。

所論の各点に関する原審の認定・判断は、原判決挙示の証拠に照らして首肯する

に足り、その過程に所論の違法は認められない。論旨は、ひつきよう、原審が適法

にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するにすぎず、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

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とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 村 上 朝 一

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 小 川 信 雄

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